遅れ馳せながら、だが。
『時をかける稽古場2.0』東京・京都2都市ツアー、全日程を終了できました。有形無形すべてのご助力、まことに感謝します、、、こう言った挨拶的言い回しは毎公演書いているのだが、今回は格別である。リアリティが違う。
さいとう篤史の降板。その代役としての古屋敷悠の登板。今思い返しても何かのボタンが掛け違ったら、公演中止は別としても数ステージ飛ぶくらいはあり得たのだろう。
1ステージも欠けずに走りきれたこと。しかも、芝居としてコメディとしてちゃんと戦える作品たして上演できたこと。
この『時をかける稽古場2.0』という作品を。
アガリスクエンターテイメント旗揚げ当初からの目標(バイブル)のひとつが、三谷幸喜の『バッド・ニュース☆グッド・タイミング』だ。
最悪の報せは、最高のタイミングでやってくる。
シチュエーションコメディがどういうものかを一言で言い表した至言だが、そのものズバリ言葉通りの状況(シチュエーション)でのこの言葉は、それ以上の意味を持って聞こえてくるのだ。
おれたちがシチュエーションコメディをやっていたから、『ナイゲン(全国版)』をやっていたから、篤史がアツシをやっていたから、『大空襲イヴ』をやっていたから、再演だったから、、、そう言ったひとつひとつが、つまり歴史が、あった。
そしてそれを共有できる座組と観客が、いた。
そんなタイミングだったんだ。だから「コメディ」たり得た。
無駄に長生きしてるわけじゃなかったんだ、アガリスクは。
本当に、幸せな劇団ですよ。
だからこそ。
成せたからと言って、成せなかったことが消える訳ではないんだ。
本人の意思は気にせず書くけど、だから完全にエゴだけど、おれは京都でさいとう篤史と『時をかける稽古場』がやりたい。で、そのときには古屋敷悠にも座組にいて欲しい。彼もまた、欠かすことのできないメンバーだから。
そしたらまた物語を大幅に弄らなきゃいけないし、どうせやるなら初演から『2.0』レベルで改造しなきゃならないし、でもそんなビジョンは現段階でないので、つまりこの『3.0』はあくまで「もしも」の話である。
でもね。
また劇団を続ける、劇団で続ける意味ができた。
たぶん何年か後に振り返って、「あの公演がタイミングだった」という公演になった気がするのだ。しかしそんな未来の話ばっかりしてられねえから、とりあえず洗濯をする。